「リハビリって、つらいですよね」
「もう動けなくなってもいい」
「動けなくなって迷惑をかけたくない」
そういった声をよく聞きます。
でも私がリハビリをする時にいちばん最初に意識しているのは、筋力や歩行距離よりも、気持ちの部分です。
この記事では、リハビリに対して前向きに取り組めるための考えをお話しています。
まずは「なぜ今リハビリをするのか」を一緒に考える
初めてお会いする患者さんには、自己紹介のあとに必ずこんな話をします。
- なぜ今リハビリをするのか
- 動かない期間が続くと、身体に何が起きるのか
- いま少しずつ動くことの意味
これは不安をあおるためではなく、
「自分の身体のことを、自分で理解してもらう」ため。
不安・他人任せの状態から、
「自分にもできることがある」と思えることが、
リハビリの最初の一歩だと思っています。
できないことより、「できること」に目を向ける
病気やケガのあと、思うように動けなくなると、どうしても気持ちは落ち込みがちです。
動けなくなることで、今後の不安や生きることに対して諦めの感情を抱く方もいます。
「つらいですよね」
「不安になりますよね」
そう感じている気持ちを言葉にしながら、
今の状態で安全にできることを一緒に探します。
小さなことでもいい。
「これならできた」という感覚が、次の一歩につながります。
リハビリは、生活の話とつながっている
歩く練習をしながら、
- 普段どんな生活をしていたか
- 仕事や家事のこと
- 家のまわりの環境
- これからやりたいこと
そんな話をよくします。
雑談のように見えるかもしれませんが、
その人の生活を知ることは、とても大切。
「孫と出かけたい」
「また一人でトイレに行けるようになりたい」
そんな具体的な目標が出てくると、
リハビリは「やらされるもの」から「自分の人生のための手段」に変わっていきます。
心が動くと、身体も動き始める
必要性を理解して、
「動いた方がいいんだ」
「何をすればいいですか?」
そんな言葉が出てきた時、
私は「今、スイッチが入ったな」と感じます。
気持ちが前を向くと、自然と行動が増え、少しずつ身体にも変化が出てきます。
リハビリは「その人らしく生きる」ための時間
私にとってリハビリは、ただ身体を良くする時間ではなく、「この身体で、これからどう生きたいか」を一緒に考える時間です。
笑ったり、悩みを話したり、
時には人生の話をしたり。
そんな関わりの中で、「自分で動こう」と思える気持ちが生まれることを、いちばん大切にしています。
コメント